葛藤

彼女が長くないのは、分かっていた。

「私、死ぬの?」



何度か、そう聞かれた。





どう答えればいいのか迷いながら、



「それはまだ分からない。がんばり次第だよ」



と答えていた。






苦しくて、



「早く、死にたい」




とこぼすこともあった。






そのたびに、



彼女の望むようにさせたい気持ちと、



少しでも長く生きていてほしい気持ちのあいだで、



揺れていた。







どちらが正しかったのか、




いまだにわからない。






最後は、




彼女の望むようにした。






施設に入ってからは毎日、



仕事帰りにコンビニに寄って、



夕食を買っていった。




冷蔵庫には、



いつもアイスの実が入っていた。