メタルが孤独を支えてくれた

音楽は、僕の人生から切り離せないテーマ。



だが、僕は高校を卒業するまで、

いわゆる音楽鑑賞をほとんどしていない。



音楽プレーヤーやラジオを持ってなかったし、
特に聴きたいと思わなかった。



音楽はテレビやお店で流れている曲を、
たまたま聴く程度のものと考えていた。



これはよくよく考えると、


「僕の人生における、大きな失敗の1つ」


であったと思う。



なぜならば、僕らが中高生のときは、


「第二次バンドブーム」ど真ん中だったからだ。



つまり、みんなの話題の中心は音楽。


音楽を聴いてないことは、少なからず
友達づくりにマイナスの影響があったはず。


僕は大学生になり、
地元の複合書店でアルバイトを始めた。


この時代は、レンタルビデオ/CDの全盛期。


店員になったことで、映画と音楽への興味が
膨らんでいった。


バイト代でCDデッキを買い、

ジャンル問わずいろいろ借りて聞きまくった。


そして、初めて買ったCDは、

レンタル落ちのアルバム2枚。

・松任谷由実/天国のドア

・カイリー・ミノーグ/Enjoy Yourself


このときは、まだ好きな音楽の方向性が
定まってなかった。


そんな中、僕はだんだんと


「洋楽」に自分の波長が合うのを感じていた。


借りるCDを選ぶときは、
帯に書かれたキャッチコピーが頼り。


「全米チャート第1位」とか書いてあれば、


きっと聴いたことのあるいい曲に違いない、
そう思って借りた。


いろいろ聴いた結果、最終的に僕は、



ヘビーメタル・ハードロック(以降HM/HR)
にハマっていった。




その原点が、「FIREHOUSE(ファイアーハウス)」

というアメリカのバンド。



最初に聴いたのは、確か、
ニュース番組のエンディング曲だったと
記憶していたが、調べても出てこないので、
勘違いかもしれない。



彼らの、「LOVE OF A LIFETIME」という曲。



繊細で美しく、ドラマティックなバラードに
僕は魅了された。


1990年、全米5位の大ヒット曲。



僕は彼女を思い出しながら、
この曲を聴くと涙が出てくる。


結婚式の定番ソングになってるのも分かる。


この曲が収録されたアルバムが、
バイト先にレンタルで置いてなかったので、
買うことにした。

「FIREHOUSE/FIREHOUSE」



ただ、僕がHM/HR自体を好きになった
きっかけは、そのバラードではない。


ストレートなハードロック曲だった。

「ALL SHE WROTE」

「OVERNIGHT SENSATION」



今までうるさく感じていたハードロックが、

この2曲のおかげで、


「あれっ?全然聴けるじゃん」

「しかも、なんかスゲーいい!」


と、印象がガラッと変わった。



ハードなサウンドとキャッチ―なメロディーの
融合がとても心地よかった。


彼らはJON BON JOVIの後押しでデビューした
こともあって、「第2のBON JOVI」とも
言われた実力派。


それから僕は、少しずつハードな曲を
聴くようになり、


次第に、ヘビーな曲への耐性もついていった。



また、バラード「LOVE OF A LIFETIME」
との出会いにより、


HM/HRには、たくさんの美しいバラードが

存在することを知った。



実は、このバラード曲の豊富な知識こそ、


僕の真骨頂と言える。



バイト仲間にも聴いてほしくて、


自作プレイリストをカセットテープに録って
渡していた。



この編集作業がとにかく楽しく、


休日に用事のない僕の気を紛らわせてくれた。



音楽が、HM/HRが、

いつも孤独な僕のとなりにいて、

元気をくれていた、そんな感じ。




今は、SpotifyやYoutubeで

中身が確認できるいい時代。


新旧問わず、好きな曲と出会える確率は高い。


プレイリストを作るのも簡単。




でも、あの頃はあの頃で、


お金や時間をかけないとできない体験に、


相応の価値があったと思う。




周囲で自分しか知らないであろう名曲にも


出会えるのだから。