旅行業を生業としている僕の
原点となった旅がある。
ある意味、この旅があったからこそ、
彼女とも出会えたと言える。
・・・・
大学3年のとき、地元の友人から誘われた。
「卒業旅行いこうぜ!」
最初は、あまり乗り気じゃなかった。
でも、熱心に説得されOKした。
ところが、最終段階になって友人が突然、
「やっぱり、今回やめとかない?」
「えーー、なんで?」
「授業料の支払いがちょっと厳しいんだよね」
「何言ってるん今さら、俺は一人でも行くよ」
僕はもう行く気満々だったので、
本当に一人でも行くつもりだった。
今度は僕の熱意が伝わり、
無事、二人で行くことになった。
初めての海外旅行が、バックパックを背負って、
ヨーロッパ30日間の自由旅行。
決めてあったのは、ルートと宿のみ。
宿泊はすべてユースホステル。
手配はすべて友人がやってくれた。
昔はメールがないから、
英語で国際郵便を出して予約。
そして、その予約に間に合うように
観光しながら動く感じ。
①オーストリア~②ドイツ~③スイス~
④イタリア~⑤フランス
この順だったと思う。
当然、あまりお金がないので貧乏旅行である。
食事は基本、スーパーで買って食べた。
観光は、美術館や史跡巡りが中心。
もう30年以上前なので、ほとんど忘れているが、
一国ずつ簡単に印象を綴る。
①オーストリアは初めて行った外国なので、
しばらく第二の故郷と思っていた。
ウィーンでは、そこら中で工事をしていたので、
工事風景ばかりが目に焼き付いている。
②ドイツはお城がいい。特にハイデルベルク城は
廃墟だが、周りの景観を含めて一番かっこいい。
③スイスのグリンデルワルトで日本の医学生と
出会い、彼がローファーで登山してたのが
衝撃的だった。
④イタリアは、ベニスでローマ行の列車がスト
だったので、駅で野宿したのがいい思い出。
やっぱりイタリアが一番良かった。
⑤フランスはパリだけ。印象的なのはエッフェル
塔の夜景。宮殿はオーストリアの方が好き。
僕は、この旅行がきっかけで外国への興味が
一気に膨らんだ。
中でも、旅行を計画することが楽しかったので、
「旅行会社で海外旅行を企画する仕事がしたい」
と思うようになった。
そして僕は在学中に独学で勉強し、
1年で国家資格を取得した。
そのあとは、簡単に就職というわけには
いかなかったが、紆余曲折の末、
一応、旅行会社で仕事ができている。
彼女の方はと言うと、
もともと大手旅行会社のカウンターだった。
そのあと、中堅旅行会社で添乗員をして、
最終的に零細旅行会社で二人は出会った。
明るい彼女の方が、実績も素質も優秀だった。