彼女が友達と出かける夜は、僕と娘の二人きりでした。
泣き止まないときもありました。
おむつだったり、ミルクだったり、
理由はいろいろ。
でも眠るのはやっぱりママじゃないと難しい。
それでも本当に眠いときは、仕方なく僕の胸に寄ってきて眠るのです。
それがとてつもなくかわいかった。
おむつからはみ出すようなウンチもしましたが、全然嫌な気はしませんでした。
自分の子じゃなくても、1歳の子を育てるのは普通の父親とほぼ同じ感情じゃないかと思います。
彼女は外食とお酒が好きだったので、よく3人で食事に行きました。
夜は子どもを連れていい時間が決まっているので、その時間ぎりぎりまで飲んでいました。
娘は眠くなって寝てしまうので、そのときは僕が抱っこしていました。
かわいかった。
積み木で一緒に遊んで、
アンパンマンとか、おかあさんといっしょとか見たり。
太っちょで重かったけど、肩車をよく要求してきました。
5分もすると腕がパンパンになるのに、
それでもやめたくなかった。
空中に投げてキャッチするやつも、何度もやりました。
娘の友達や同級生の名前も結構覚えました。
娘の友達だからみんな可愛いと思えた。
そうじゃなければよその子なんてうるさいだけ。不思議なもんですね。
スイミングスクールの送り迎えもしました。
2階からプールを見下ろして見学できるのですが、
実は僕は泳げません。
でも娘がどんどん上達して普通に泳いでいるのを見ると、素直にすごいと思いました。
保育園のお迎えにも行きました。
保育士さんにも、父親代わりの人として認識されていました。
運動会にも、お遊戯会にも参加しました。
運動会では、お父さんたちと競うリフティング大会がありました。
娘のために絶対勝ってやるぞ、と思って頑張ったら優勝して、大きいトロフィーをもらいました。
娘はあだ名で呼んでくれていました。
でも娘の友達はみんな自分のパパをパパと呼んでいる。
一度だけ、娘の顔を見ていて思いました。
「この人はパパじゃないのか?パパと呼んじゃダメなのか?」
そう思っていたんじゃないかな、と。
もしかしたらいつも心のどこかでモヤモヤしていたのかもしれない。
そう思うと、少し切なくなります。
でも毎日は楽しかった。
彼女と娘があまりにも愛おしくて、
犬みたいに、よく二人を押さえつけて顔中をベロチューしていました。
3人でグアムにも行きました。
子どもが小さい場合はテッパンの渡航先で、安心して楽しめました。
ちなみに娘はそれが初めての海外ではなく、おじいちゃんおばあちゃんと台湾にも行っていたそうです。
贅沢な娘だ。僕は大学生になってからが初めてなのに。
普通のエピソードしかありません。
でも、ずっと楽しかった。
最初から父親になる覚悟なんて、ありませんでした。
ただ一緒にいただけです。
ただ、自然にそうなっていたのです。
今思えば、それが一番自然な形だったのかもしれません。