元の会社を辞めて、独立したのが2010年12月。
必死に営業して、順調なスタートが切れていた。
そして、2011年3月11日。
その日、事務所には僕と同僚の二人。
午後だった。
「…ん?なんだこれ?」
今まで感じたことのない初期微動。
徐々に、揺れが大きくなってきた。
「でかいよっ!!」
最初、僕は座っていたが、テーブルに積んであったパンフレットがドサッと崩れたので、直すために立ち上がった。
揺れはさらに大きくなった。
「やばい!外出よう!!」
外に出たものの、景色がグワングワン回っている。
立っていられず、座りたかったが、
2方向にあった電柱が倒れてきそうで、僕は、いかにしてよけようかに集中していた。
もう一人の同僚が帰ってきたが、涼しそうな顔をしている。
車中でほとんど揺れを感じなかったという。
揺れはかなり長く続いた。
それでもこの地域は震度5弱。
その後、ニュースを見て、
想像を絶する、とんでもない事態になっていたことを知る。
「これ…….やばいよね。」
そして、天災の影響をもろに受けるのが「旅行」。
3月時点でも、春から秋にかけての予約がそこそこ入っていた。
次の日から毎日、キャンセルの電話に追われることに。
当社の取り扱いは、ほとんどが団体バス旅行。
いったんはひと通りキャンセルになったが、落ち着いてからは、多くのお客様が予約を取り直してくれた。 おかげで、この年は思っていた以上に持ち直した。
大きな決断をして、独立したばかり。
正直、かなりビビった。
それでも、会社には勢いがあった。
みんな若かった。
「きっと大丈夫。」
そんな気持ちで前を向いていた。