僕の本質は恐らく普通のサラリーマン。
前の会社の社長に、サラリーマン根性がどうのこうのと、よく言われた。
社長はいつも社員に、のれん分けの形で独立を促していた。
それでロイヤリティを稼ぐシステム。
しかし、僕が入社して約8年、会社の業績が落ちてきて、
今までのような条件で居続けることが難しくなった。
それでも在籍するか、辞めて転職するか、はたまた、先に独立した同僚と別会社をやるか、
決断を迫られることに。
僕の中では二択だった。在籍とのれん分けはない。あまりにも馬鹿にした条件だったので。
独立に興味がないわけでもないが、自分のことはよく分かっていたので、難しいことも理解していた。
そんな僕が、独立に踏み切ったのは、彼女のおかげ。
彼女の意見も聞きたかったので、相談した。
「やってみたら?(僕)なら出来るよ!」
サラッと言われた。
「…うん、じゃあやってみようかな。」
彼女の亡くなった父親は経営者だった。
商売人の娘ということもあって、独立には寛容だった。
母子家庭でたいへんな状況なうえ、僕の収入も不安定。
それでも僕のチャレンジを応援してくれた。
なんとありがたいことか。
こうして僕は、元の会社を退職して、同僚と新しい会社をやることになった。
もちろん、不安はいっぱい。
それでも何とかなると思えるだけの根拠はあった。それに、共同経営だから一人じゃない。
独立してすぐ、僕は死に物狂いで営業した。
ここまで本気を出したことはないくらい。
そして、その結果はすぐに表れた。