父親らしいこと

娘にとって僕は、


「〇〇くん」という


父親らしき人から始まって、



「ママの彼氏」とか「内縁の父」


という謎のおじさんになり、



娘の母親が亡くなってからは、


・・・・・・


これは的確な表現は難しいが、


「〇〇くんは〇〇くん」だと思う。




逆に僕にとって娘は、


ずっと「娘は娘」だが、


距離感は少しずつ変わっていった。



小さいころの娘は、可愛くて可愛くて、


「この子の父親になろう」


と、僕は努力した。




いつも娘の味方だったし、


母親のこともとても大事にした。


そして、一緒にたくさん遊んだ。


娘のためなら何でもできる、そんな気持ち。



だから、娘も僕に対して安心して


接してくれていた。



誰がどう見ても親子に見えたと思う。



しかし、


中学の途中くらいからは、


父親らしさを発揮できなくなっていた。


少しずつ、彼女と娘はぶつかることが増えた。


僕はつい彼女の味方をしてしまい、


中立を保てなかった。


娘にとって僕は、


相談できる相手ではなくなっていたと思う。




ここで初めて言うが、


娘は友達とのトラブルで不登校になった。


誰かの助けが必要なこの時期に、


僕は何もしてあげられなかった気がする。


それでも何とか、中学・高校は卒業。



娘は家で相談できなくても、


その時々で、


親身に悩みを聞いてくれる人がいた。


僕らはその人が本当に信頼できる人なのか、


とても心配していた。



そのことに娘は反発して、


「何も知らないくせに!」

「お金がないときご飯おごってくれるし、
 悩みをずっと聞いてくれてるんだよーー!」


それでも僕らは信用しきれなかった。

でも今、娘のあのときの精神状態を思い返すと、

その人はもしかしたら、


娘の命をも救ってくれていたのかも知れない。



そう考えると、ありがたく思うし、


僕らの力のなさに、胸が締め付けられる思いだ。




これからは母親のいない娘を、

僕の立場でどう支えるのか?

ちゃんと考えていきたい。