別れなかった理由は、娘がいたから

  • 2026年10月26日
  • Story

まだ付き合いはじめのころ、


「もう別れてもいいかな」


と思ったことがあった。



詳しい事情は覚えてないが、


僕はたびたび、彼女を怒らせていた。



たぶん、僕が恋愛に慣れてなかったせい。




女性の気持ちとか、


あまり理解できてなくて、


NGな対応をしていたのだと思う。




彼女は言った。


「もう別れた方がいいかなぁ?」



どこまで本気だったかは分からない。




ちょっとヒステリック気味だった彼女に、


僕の方もちょっと疲れていた。



もちろん嫌いになったわけではない。



でも、「合わないのかな」 と思った瞬間は、



確かにあった。




それでも、別れなかった。




娘がいたからだ。




まだ小さかった娘は、



もうすっかり僕に懐いていた。



一緒に遊び、一緒にご飯を食べ、


同じ時間を過ごしていた。




別れるということは、



彼女だけじゃなく、



娘とも会えなくなるということ。




それを想像すると、



思った以上につらかった。




普通なら、シンママとの恋愛は、



子どもの存在が壁になるだろう。




でも、このときの僕は逆だった。




娘がいたから、簡単には別れられなかった。




もう“他人の子”ではなくなっていたんだと思う。