別れなかった理由は、娘がいたから

まだ付き合いはじめのころ、

「もう別れてもいいかな」と思ったことがあった。




詳しい事情は覚えてないが、僕はたびたび、彼女を怒らせていた。



たぶん、僕が恋愛に慣れてなかったせい。




女性の気持ちとか、あまり理解できてなくて、

NG対応をしていたのだと思う。




彼女に、「もう別れた方がいいかなぁ?」と言われた。



どこまで本気だったかは分からない。




ちょっとヒステリック気味だった彼女に、僕の方もちょっと疲れていた。



もちろん嫌いになったわけではない。




でも、「合わないのかな」 と思った瞬間は、確かにあった。





それでも、別れなかった。





娘がいたからだ。




まだ小さかった娘は、もうすっかり僕に懐いていた。


一緒に遊び、一緒にご飯を食べ、同じ時間を過ごしていた。




別れるということは、


彼女だけじゃなく、娘とも会えなくなるということ。





それを想像すると、思った以上につらかった。





普通、シンママとの恋愛は、 「子どもの存在が壁になる」と思われがち。




でも僕は逆だった。





娘がいたから、簡単に別れられなかった。





もう“他人の子”ではなくなっていたんだと思う。