まだ付き合いはじめのころ、
「もう別れてもいいかな」
と思ったことがあった。
詳しい事情は覚えてないが、
僕はたびたび、彼女を怒らせていた。
たぶん、僕が恋愛に慣れてなかったせい。
女性の気持ちとか、
あまり理解できてなくて、
NGな対応をしていたのだと思う。
彼女は言った。
「もう別れた方がいいかなぁ?」
どこまで本気だったかは分からない。
ちょっとヒステリック気味だった彼女に、
僕の方もちょっと疲れていた。
もちろん嫌いになったわけではない。
でも、「合わないのかな」 と思った瞬間は、
確かにあった。
それでも、別れなかった。
娘がいたからだ。
まだ小さかった娘は、
もうすっかり僕に懐いていた。
一緒に遊び、一緒にご飯を食べ、
同じ時間を過ごしていた。
別れるということは、
彼女だけじゃなく、
娘とも会えなくなるということ。
それを想像すると、
思った以上につらかった。
普通なら、シンママとの恋愛は、
子どもの存在が壁になるだろう。
でも、このときの僕は逆だった。
娘がいたから、簡単には別れられなかった。
もう“他人の子”ではなくなっていたんだと思う。
別れなかった理由は、娘がいたから
- 2026年10月26日
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